先日、ずっと行ってみたかった「横浜にぎわい座」へ行ってきました。
そう、林家たい平師匠の独演会があったのです。
満員御礼の表示が出ており、ロビーも賑やか。
そんな中、前から5列目の真ん中というとても良い席で高座を見させていただきました。
たい平師匠の一番弟子
三味線漫談の林家あずみさんは相変わらず愛嬌があって、その独特のリズムにクスクスしちゃいましたし
林家木久扇師匠のお弟子さんの
林家ひろ木さんもこれまた独特な語り口で、最後には津軽三味線の披露もあり、盛り上がりました。
一部と二部、そのお二人のあとにそれぞれ登場するのがたい平師匠であるわけですが、落ち着いた口調で話し始め、どんどん笑いと笑顔が加速していくような たい平さんの枕がとても好きです。すっと落語に入るあの不意打ちも落語の醍醐味ですよね。
「後生うなぎ」のサゲは、たい平師匠の愛が詰まったオリジナルでした。今回初めてそのサゲをやられたようで、今後どんな風に変化していくかお楽しみに!とおっしゃっていました。
落語は同じものを2度と聞けないところが、だいすきです。そのとき、その瞬間のもの。
たい平師匠の最後の一席のときも、私は悠長に構え、師匠の噺をニタニタして聞いていたわけです。
すると、
「高座からは、お客さんおひとりおひとりの顔がよく見えるんです。今日は浴衣を着た、ある人が来てくれているので、せっかくですから高座に呼んでみようと思います。元 文化放送アナウンサーの加納有沙さんでーす」
え?
横のご婦人は手を叩いて大喜び。
「いってらっしゃい!!応援してるわよ!」
ひぃえーーーーー
高座で、な、なにを話せばいいのだ!!!?
たい平師匠の横に師匠とは違う色の座布団がもう一枚ひかれ、落語用の低いマイクスタンドとニコニコ笑う師匠が迎え入れてくれました。
ふかふかの青の座布団に座り、深く頭をさげると客席から大きな拍手が。
横浜にぎわい座にびっしり入ったお客さまの顔が奥の方まではっきりと見えます。
そのあとはというと、、、
もう本当に文化放送で師匠と番組をやらせてもらっていたときと、まるきし一緒のテンションで『即興モノマネ』のオンパレード!!
犬、猫、さかりのついた猫、ヤギ、ジャングル、ジャズ、人間エコーなどなど
私が何かモノマネを始めると、師匠がそれに共鳴するかのごとくモノマネをしてくださるので、モノマネしながら笑いが堪え切れない状態!笑
最後は、甲子園のサイレンを一発お見舞いして(?)球児が帽子をとって深々と頭を下げるようにして『ありがとうございましたっ!!!』と高座を降りました。
そんな突然の、夢のような時間でした。
たい平師匠、ありがとうございました。
独演会が終わって外に出ますと、いろんな方々が声をかけてくれました。
「あなた、芸達者ね〜」「たのしかったです」
「ラジオ聴いてました、まさかここで会えるとは」
そこには、オレンジ色したあたたかい空気が待っていました。みんな柔らかい笑顔でニコニコと話しかけてくださいます。
師匠色したその空気は、お客様それぞれのお宅に持って帰られるのでしょうね。
笑うっていいなぁ、とてもやわらかいなぁ
こちらが揉みほぐされたようでした。
最後に近寄ってきてくれたおかあさんは「私もね、モノマネできるのよ」と言っていたので、『お!なんのモノマネされるんですか?』とお聞きしたら、まさかの
「競歩のモノマネ」
とおっしゃいました。
たい平師匠ファンのお客さんは、レベルが高いな(笑)と思った瞬間でした。
あー笑った笑った!