先日、母から手料理が届いた。
「お惣菜たくさん作ったから食べてね〜」
ありがたい。
年度の変わり目は忙しくて、歓送迎会だとかお花見だとかで、私はだいたい太るものを好んで食べてしまうのでバランスなんて考えもしない。
いろんなものが入っていたが、その中でも嬉しいのは野菜を気軽に食べられていい、マリネだ。ピクルスもいい。
とにかく私は野菜の酢漬けが好きなのだ。
母から届いた惣菜のなかにあった「新玉ねぎとやりイカの彩りマリネ」(私が勝手に命名)
美味しくていくらでもいけたので、これは自分で作ってストックしておこうと思いたった。せめてお酒のつまみにヘルシーなものを、という言い訳だ。
思い立ったが吉日。
さっそく野菜をたくさん買って、一杯の大きなやりイカを手に入れ、家に戻りイカを前にして私はアレを思い出した。
去年私の中でひそかにハマった動画だ。
Eテレのこの番組。
『ムカレルイカ』
http://www3.nhk.or.jp/d-station/sp/episode/mukareruika/5447/
なんか、よくわかんないんだけど…好きだ。
コリをほぐすかのごとく、
ただただイカが剥かれているだけ。
そんな動画を久々閲覧しながら、人生で初めてイカを捌いてみることにした。
本日の対戦相手。
(まな板からはみ出さんばかりのイカさん)
さっそくいきますよ、
スポン!!!!!!
気持ちいいーーーーー!!!!!!
遠慮も躊躇いもない。
次は耳と皮を剥がしますよ、
とぅるん
思いの外、墨が出てきて手こずりましたが
最後に骨を抜いて
シャキーーーーーーン!!!
(なんてカッコイイんだ、イカの骨)
ああ、骨を抜いたときの気持ちよさ。
こりゃハマりますわ。
イカの骨をライトセイバーのように「ヴィン ヴィン」と振り回して、ひとしきり遊び終わると、それだけで若干満足しかけていましたが、さっと湯通しをしてその他の野菜とマリネにしました。
自分で作ればなんでも美味しいですね。
(自分で食べるからね笑)
思いがけず、食の大切さに気づかされました。
いつだったか、福岡でお世話になったディレクター夫婦にご馳走になったとき。
「ここの料理は身体の調子がよくなるよ。何が特別ってわけじゃないんだけど、愛情たっぷり入ってる。ここのママのね」
美味しい美味しい韓国の家庭料理だった。
手作りって、いいね。
口にするものは栄養のあるもの、愛情のつまったものを。
とすれば、
口に出すものも、栄養があって思いがつまったものでありたいなぁ。
知らないうちに
配慮にかける言い方をしたり、
暴言を吐いたり、
ついカッとなって言ってしまう経験は誰にでもある。
心の余裕は美味しいごはんが作ってくれると私は思っている。
イカと会話しながら捌いたあのマリネは、明日、心の友との花見のつまみに持ってゆこう。