このところ、福岡にいた3年間をよく思い出す。
社会人デビューを福岡でして、本格的に放送の世界を泳ぎ始めた私。
最初はイメージばかりが膨らんで息継ぎがうまくできなかった。どうやって腕を回して掻けばいいか分からず、見よう見真似でやってみるも、溺れているようにしか見えなかった。
早く慣れようとして、小さくそつなくこなしてみても見抜かれた。
どの世界でもそうだが、甘いものじゃない。
そんな時、戦友と食べるご飯やお酒はとてもしみた。
経験が浅く、もどかしく悔しい気持ち、やり場のない悲しい気持ちは、福岡の美味しいご飯が癒してくれた。
ラーメン、ひとくち餃子、水炊き、博多うどん、ごまさば、美味しい魚介類、、、どれも身近な味ばかり。
とりわけ「酢もつ」は、私の思い出ページでの露出が激しい。
居酒屋ではマストで頼んだし、よくつるんでた先輩(女子アナ)がスーパーで酢もつをパック買いし、宅飲みで酒のアテにしていた。
もつをポン酢で和え、さっぱりといただくおつまみ。紅葉おろしや柚子胡椒を添えて、ピリリといただく。
口の中でコリコリと噛みながら、芋焼酎を流し込んでいろんな涙を飲み込んできた気がする。
福岡を離れてさらに3年が経った。
昨夜、当時の戦友と酢もつをつつきながら近況を語った。
それぞれ立場や仕事内容、環境は変わっているが、基本的に変わらず陽気でアホな同期だ。もちろん、私を含めだが(笑)
お互い半人前だったあの頃より少し大人びて老け、私はみんなの仕事や家族・子どもの話などを聞き、自分のこれからについて話した。
笑いながら 懐かしみながら 3年前の福岡の春を思い出したら なんだか涙がでそうだった。
場所は【東京】でも
酢もつ と 三岳 は、当時と変わらず私たちを見上げていた。
時を経て 人生語る 酢もつかな
春は全身から涙が出そうになる。