あれは私が大学生だったころ。
当時、外苑前にあったアナウンススクール「アスク」に通っていました。(現在は六本木)
仲間と切磋琢磨しながら、しゃべりの基礎勉強や就活対策をとる日々。
ある日、先生が言いました。
『今日の授業は、外にでます!』
【スクールの周りをそれぞれ見て回り、そこから中継リポートを入れる】と想定した授業。
リポーターとカメラマン(ハンディのビデオをまわし録画)、ふたりひと組になって撮影し、あとで教室でその映像を確認します。
外苑前駅前 大通りの交通量をリポートした人
公園にある大きな桜の木を描写した人
駅からアナウンススクールまでの道のりを紹介した人
「これぞ!アナウンサー!!」といったリポートを同期がしているのを見て、すっかり感心した私。
使える中継リポートってこういうことか。
他人事の様に思っていました。
そんな私がどういうリポートをしたかというと、、、
『今日未明、外苑前駅からアナウンススクールへ向かう歩道に「なにやら怪しげなもの」が落ちているのが見つかりました。ご覧ください。こちらです!!』
歩道にしゃがむ。
側溝の方に手をむける。
『これはいったいなんでしょうか!?』
『歯型と思しき物体。にんげんの物でしょうか?この大きさ、形からすると動物のものではなさそうです。』
『……とすると「入れ歯」でしょうか。それにしては、半透明でスケスケです』
たしか、こんなリポートをしたはずでした。
あれから、8年。
私もすっかり大きく横に(?)成長し、三十路近くになってしまいましたが、あの時リポートしたモノと【そっくりなモノ】を はめて寝るようになりました。
そう。あれは「マウスピース」でした。
マウスピースを 道端に裸のまま落とすこともあるんですね。
皆さん、マウスピースの落し物にご注意を。
マウスピースって、ブラジャーをつけたまま寝るようなかんじで なんだかムズムズするもんですよ。