日曜日が出勤日の私は、いつも困っている。
それは日曜ランチ問題。
オフィス街である浜松町・大門は日曜にランチを食べられるところがあまりない。カフェだと高くつくし、どうせ高いなら美味しいものが食べたい。
私はいつものように日曜の浜松町をウロウロしていた。
すると後ろから女の声が聞こえた。
「えーもうおわりー?」
足を止めると、男女のカップルがわたしを追い越して歩いて行く。ふたりはガッチリと手をつないでいる。
女「もっと長くぅーー」
男「えー、もっとぉ?」
女「うん!」
男「しょうがないな〜 ギュウ!」
男はそう言いながら、2人の間でかたく結ばれた手にチカラを込めた。ぎゅっと。
なんだなんだ。
なんでこんなやりとりが街中でできるんだ。
背格好からして20代前半。
まだ甘い時期なのだろうか。
そのあと女は「えっへへ♡痛ぁあーい」と言っていた。
初めから痛くなるのを分かって、いや、むしろ痛くも痒くもないのに痛がったのではないかと思われるほど。
訝しげに見てしまう。
あ。そうか、今日はバレンタインか。
そんなことは私にとっちゃどーでもよいことなのだ。私は お腹が空いているのだ。
甘い関係よりもご飯!!!
念仏のように頭でそう繰り返すと、そこへ私にもギュウの光が。
目の前に「おいで」と言わんばかりの階段が見えた。私はその店に吸い込まれるように入って行った。
トコトコと抜けると
そこは「牛かつ」の世界が広がっていた。(雪国っぽく)
ずっと来てみたかったのだ、ここに。
でもいつも平日は長い長い行列ができていて、空腹に勝てない私は並べずにいた。
しかーし!!
なんということでしょう。
日曜日も営業しているとは神かしら。
「牛かつ もと村 」は新橋や渋谷などいろんなところにお店をかまえる牛かつ屋さん。
ドアを押して中に入ると、日曜の15時くらいでもお客さんが半分くらい入っていた。厨房のコックさんと向かい合わせのカウンターに腰を下ろす。
すると、すでにテーブルには七輪の上でジュウジュウと音を立てる一人用の石焼?が置いてあるではないか。しかももう火が入っている。
私が来るのを予期していたのか(違)
さっそく注文してみる。
牛かつ 130g
キタ。
麦めし、とろろ、味噌汁までついてきて1400円。(ご飯おかわりは一杯まで無料)
噂の牛かつさんは薄い衣に包まれてカラッと揚げられているのに、ひとつ箸で摘み上げると中身はレア状態。うほほ~。
この断面を 熱々にされた石焼で ジュウ! とやっつける。
ギュウではなくだ。
一枚一枚焼きながら、3種類のソースで食べ比べるのも楽しい。洋わさびのソース、生醤油、わさびと岩塩。どの味もおいしくて、そのループからなかなか抜け出せない。
短冊に似た形の牛かつを焼いていると、その大きさが駄菓子の「酢こんぶ」に見えてきてだんだん妙な気持ちになる(わたしだけ?笑)
時間もかからず、早く出てくるのも嬉しい。
カラッと揚げたての牛かつは、揚げているのにしつこくなくて不思議だ。
バレンタインはやっぱりギュウだね♡
熱々のカップルよりも、熱々の牛肉のわたしだ。
《本日の店》日曜日も営業している嬉しい店
牛かつ もと村 浜松町店
- ジャンル:和食(その他)
- 住所: 港区浜松町2-5-1 石渡ビル B1F
- このお店を含むブログを見る |
- (写真提供:DIZNT)