「育児をしていると自分のことを蔑ろにしがち。」
と私が言うと、かなり言い訳っぽい。
なぜならいくら育児でてんやわんやしていても、食べたいものはこっそり食べるし、飲みたいものは可能な限り飲む。
要は、私が積極的にしたいことか、そうでないかの違いなのだと思う。
歯科クリニックへは、1人目の出産後、残された特大の親知らず1本を思い切って抜いた時以来行っていないので、1年ぶりくらいかな?
1年ちょっとでこんな事を言われるとは夢にも思わなかった。
「あなたには虫歯が6本あります。そのうちの一つには、おおきな穴ぼこが空いています。」
なんか奥歯が少し痛いなぁとは思っていたけれど、嘘だろう?
口の中に突っ込まれた丸い鏡には、おおきな穴ぼこの空いた奥歯が「えっへっへ。バレちゃいやしたか。どーもすいやせん」と笑う。
ジェットコースターを乗り終えたあとのようにグッタリとした私を見て先生が「虫歯は放っておいても治りませんから、きちんと治療していきましょう」と微笑んだ。
さっそく別日に、一番問題である奥歯の穴ぼこ虫歯をやっつけることになった。
前回とは違う先生が「では今日は虫歯の治療をしていきますね。お口開けてくださーい。えっ⁈……」と、穴ぼこが空いた私の歯を見て言葉を失っていた。
そうだろう、そうだろう。
こんなになるまで虫歯を寝かしておく人はなかなかいないだろう。
ああ。何から何まで心に突き刺さってもうビールをあおりたい気分になる。しかし、私の口にはもうドリルが突っ込まれているのだ。
はやくおわれー
はやくおわれー
と祈りながら15分ほどで処置が終わった。
今度は別の日に型を取って、また別の日に銀を詰めて、そしたら今度は別の虫歯に取り掛かって…
気が遠くなりそうだ。
うなだれながら帰宅すると、我が家の2歳児がおかえりぃ〜と出迎える。
「アー した? イー した?」
(それはいつもあなたにやってあげている仕上げ磨きのやつね)と思いながら
『したよ〜〜!!アーもイーも、たくさんしてきたよ〜〜!』
と応えると、ヒャッヒャと笑った。
たしかに、こどもが口を大きくアーと開けたり、横にイーと開くのと私がやっていることはさほど変わらないな。
なぁんだ。やってもらってるだけか。
そうだ!今度からは美容院でシャンプーしてもらうような気持ちで歯医者に通おう!!
いや、シャンプーで頭は削らないか。
ツラい。。
みなさん、歯はちゃんと磨こう。
「歯、磨いたか?」のネコ。